子どもに是非オススメしたい一冊~小さな小さなウィルスの大きなはなし~
こんにちは。医療者です。
今日は子ども向けに見つけた、とても良い本があったので紹介します。
「小さな小さなウィルスの大きなはなし」
文:伊沢 尚子
絵:坂井 治
監修:中屋敷 均
2021年の3月10日に初版が出たばかりの、新しい絵本なのですが
内容がもの凄いわかりやすく、コロナ禍である現代の子どもたちは
例年よりも、ウィルスの話をよく聞くかと思います。
そこで是非とも読んで頂きたいなと思い
ざっくりとした内容を、ブログで紹介してみようと思います。
あまりウィルスや感染について、詳しくない大人のかたにも
大変勉強になる内容なのは、間違いないです!
ちなみに、私は本屋でたまたま手にしたのですが
感動して即購入しました笑
では、本の内容をもとに、ウィルスについて書いていきます。
第1章~ウィルスの大きさについて~
ウィルスは、まわりにたくさんいます。
でもウィルスは、目には見えませんよね?
では、ウィルスはどれ程小さいのでしょうか?
それは、地球と比べた人と、同じくらい小さい。
ウィルスの大きさは、人の1千万分の1くらいなのです。
見えるわけありませんよね。
ちなみに、地球からみた人類が、同じ大きさだそうです。
第2章~感染はどうやっておきるのか~
でも、人も小さな小さなつぶでできています。
そのつぶとは、細胞です。
これがたくさん集まると、ひとだったり、犬だったり
大きな生き物になります。
ちなみにウィルスには、細胞はありません。
では、細胞とウィルスを比べてみたらどうでしょうか。
細胞もウィルスもどちらも生きています。
生きているからには、仲間を増やす必要があります。
そのために、仲間をつくるための「設計図」が必要です。
この設計図を、別名「遺伝子」と言います。
それに加えて、遺伝子をよみとって、部品を作る工場も必要です。
でも、ウィルスにはこの工場がありません。
生きていくには、仲間を増やすしかないのに
工場がないウィルスは、どうやって仲間を増やすのでしょうか?
細胞にふやしてもらうのです!
ウィルスは、細胞にはいりこみ、細胞の工場で仲間をつくってもらいます。
これが「感染」です。
ウィルスを増やしているのは、人間なのです。
でも、感染するのは、人間だけではないのです。
第3章~感染の仕組み~
もし、ウィルスが手についたとしても、それだけでは感染しません。
何故でしょうか?
それは、皮膚が守ってくれているからです。
でも、のどや鼻の中など、からだの内側は、しっかりと守られていません。
なので、ウィルスがついて手で、その場所に触れると・・・
細胞が、体に入り込みます。
細胞の外側の膜には、カギ穴のような仕組みがあります。
もしウィルスが、その膜に合うカギをもっていれば、細胞の中に入ることができるのです。
入ってしまったら最後。
細胞の工場は、ウィルスの部品も作ってしまいます。
そして、ウィルスの仲間が体の中に、たくさん作られます。
そのあと、細胞は死んでしまいます・・・。
細胞が死んでしまうと、体が弱ってしまいます・・・。
だから、からがは咳やくしゃみで、ウィルスを追い出そうとします。
熱をだして、ウィルスを弱らせます。
そして、からだは今回のウィルスからの攻撃を、レポートにまとめます。
つまり、一度感染したウィルスへの、戦いかたを覚えていくのです。
これを、「免疫」といいます。
また、人間はウィルスに対して、免疫を準備する方法も開発しました。
これが、ワクチンの予防接種です。
でもワクチンは、人間が知っているウィルスしか作れません。
では、新しいウィルスがきたら、どう対応するのでしょうか?
第4章~未知のウィルス襲来!?~
人間を病気にする新しいウィルスは、森のおくに住む野生動物からやってくることが多いです。
「新型インフルエンザウィルス」や「新型コロナウィルス」もはじめは、
渡をするカモや、洞窟のコウモリにいたものが人間に感染するようにかわってしまったウィルスなのです。
そして、生き物の遺伝子も、コピーするとき、間違えてしまうことがあります。
これが、遺伝子の「突然変異」と言います。
すると、カギの形が変わるなどして、感染する生き物が、突然かわってしまうのです。
元々、人間と野生動物は別々のすみかで暮らしていました。
ところが、人間は自然を利用するために、野生動物のすみかへと入り込みすぎました。
そして人間に感染することができる、突然変異したウィルスにふれる機会が増えてしまいました。
人間に感染したウィルスは、人間によって運ばれます。
人間は都市に住み、飛行機や船などで世界中どこにでもいけるようになりました。
新しいウィルスが広がるには、都合のよい社会なのです。
第5章~ウィルスとの共存!?~
まず、ウィルスから身を守るためには、人間の免疫力を高めること。
そして、手洗いうがいなどの感染対策です。
でもウィルスは、いいこともしてくれます。
例えば、お母さんのおなかの中での話です。
赤ちゃんの栄養や酸素は、お母さんから胎盤をとおって、届けられます。
その胎盤をつくるのに、ウィルスの遺伝子が使われています。
はるか昔に感染した、ウィルスの遺伝子が、いまは人間の遺伝子として役にたっているのです。
地球に生き物がうまれたころ、ウィルスもうまれました。
そこから、ウィルスと生き物は、互いに影響をうけあいながら進化してきたのです。
そう、人間はウィルスと共に生きてきたのです。
ウィルスがいなければ、人間も今の姿ではなかったかもしれません。
これまでに発見されたウィルスは、地球にいるウィルスのほんの一部だそうです。
ちなみに、どれくらいいるのか計算してみると、色々なウィルスをひとつにまとめた場合、シロナガスクジラ7500万頭分になるそうです。
これからも、新種のウィルスは発見されます。
それは、貴方の身近にいる、ダンゴムシなどから発見されるかもしれません。
これで、この絵本は終わります。
いかかでしたでしょうか?
絵も凄いきれいで、絵がある方が更にわかりやすいと思います。
そして、今年の3月に出版されたのに、マスクについて一切触れてません。
むしろ、手洗いうがいをしようとしか書いてません(ここが一番の評価かも)。
政府は、今回のコロナ騒動において、「打つ手なし」と明言しました。
ですが、それでいいのです。
色々な知恵を身につけ、コロナウィルスに対応してきた努力は認めます。
ですが、どんなにマスクをしようが、どれだけ感染対策に力をいれようが、人間はちっぽけな存在なのです。
「ゼロコロナ」という目的は途絶えたと言っても良いでしょう、なので、それを受け入れ、共存する道しかないのです。
それが、今までウィルスと歩んできた本来の人類の姿であると、私は思います。
一刻も早く、元の生活に戻ることを願っています。
子どもから大人も学べる一冊なので、家庭や学校に置いてみてはいかがでしょうか😊
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