ロックダウンは有効な手段なのか。人々への生活への影響を考える。

8月 10, 2021

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こんにちは。医療者です。

東京オリンピックも無事終わり、ここ一年以上暗いニュースばかりだったので、特別感動したオリンピックでした。
選手の皆様、本当にお疲れ様でした。

しかし、その一方で東京の新規感染者数が急増しています。

緊急事態宣言を発令しているものの(もうずっと発令してるみたいなもんですが)、感染抑制できず・・・。
分科会なんて「緊急事態宣言は効果なし」とか、他人事のように言う始末・・・。
そして、この状況を打破しようと考え出した策が、なんと驚きの

「ロックダウン」

まさか今更この言葉を、日本で聞くとは正直思ってませんでした。むしろなんだかんだこの言葉が出なかったことが唯一の良さだったのに。
では、このロックダウン。果たして行うことで、日本はこの爆増する感染社会から脱却できるのか。

答えは「否」です。

その理由を今回のブログで、諸外国ではどうだったのかを含めて説明していきます。

 

 

目次

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1.ロックダウンとは何なのか?

ロックダウンとは、危険や差し迫った脅威、リスクなどを理由に、建物やエリアへ入ったり、そこから出たり、その中を移動したりが自由にできない緊急の状況を言う(wikipedia抜粋)。

わかりやすく説明すると、コロナは危険だから、もうどこにも出るなと言うこと。つまり、封鎖なのです。

ちなみにロックダウンを実施した国は、中国、イギリス、EU、マレーシア、アメリカ合衆国のカリフォルニア州、ニューヨーク州、北朝鮮の開場市、インドなどです。

では内容としてはどんなものか。下記の表にまとめてみました。

各国がロックダウンで実施した主な外出制限
アメリカ合衆国(NY州) スーパーや薬局は除き、原則100%在宅勤務を事業者に義務付け
フランス 買い物、通院以外は外出禁止
イタリア 原則外出禁止。どうしても外出する時は、陰性証明書の携帯義務
イギリス 買い物、散歩以外は、外出禁止
ドイツ 一部の州で外出制限。罰則は各州で異なる。
日本(比較のため) 不要不急の外出自粛を要請。

ロックダウンを行うことで、自粛ではなく禁止となります。中には罰則もあり、かなり厳しい対応をしています。
なら、日本でも自粛ではなくて、もうさっさとロックダウンって言えばいいじゃないか。と言う声もありそうですが、日本の場合、法律上できないのです。

だから、今法改正を行うみたいな話も上がっているわけです。
でも、感染抑止できるならいいじゃないか。と言う方も多いのではないでしょうか。

次の章では、ロックダウンの影響について書いていきます。

 

 

2.ロックダウンの影響とは

まずロックダウンによる影響として大きいのは、経済へのダメージ。
日本でも緊急事態宣言による、飲食店の時短営業であったり、イベント関係、遊園地など様々な商業施設が経済的損失を受けています。

これは、ロックダウンも同じであり、2020年のユーロ圏の経済成長率はマイナス6.6%と、リーマンショック後(この時マイナス4.5%)を上回るマイナス幅となっています。
ちなみにイギリスの労働者の16%は、すでに職を失った、近いうちに失職すると答えたそうです。

そして、影響は経済だけではない。外出禁止の生活により、不安やストレスをかなり感じる。この心の問題も大きな問題となります。

実際に、ロックダウン後のイギリスの世論調査では、ロックダウンによる制限を非常につらく感じるが15%もいました。
更に回答者の49%が普段よりも不安で気分が落ちると答え、38%は不眠症を訴えました。

この回答は、若い世代に多い傾向となり、高齢になる程、数字は下がった模様。また、19%が同居人と口論が増えたと答え、飲酒量も増えたそうです。

うーん。

これ逆に「不健康」になってませんか?

ウィルスから守るためと言えども、病気はコロナだけではないし、この生活で生活習慣病のリスクが上がったり、自己免疫力の低下で風邪になりやすくなったりを考えると、本末転倒のような気がします。

ここまでをザッとまとめると
・外出禁止とし、人流を極限に抑える
・罰則を設け、更に厳しく
・経済へのダメージがでかい
・外出禁止による、人々の心のダメージもでかい

流石に厳しいと、第2回目のロックダウンから、内容を緩和している国が多くなりました。
やはり、実際にその国に住まれている方は、想像以上に苦しい生活なのかもしれませんね。

このことからもわかるように、私はやはりロックダウンには賛成できません。

では、こんだけ強制力のあるロックダウン。さぞかし素晴らしい結果が待っているのではないか。
残念ながら待ってません。次の章で話します。

 

3.ロックダウンは成功と言えるのか

ロックダウンで成功したと言われるのが、ニュージーランド。しかし、ニュージーランドは、日本の約3/4の大きさであり、島国。感染もかなり初期の段階だったので、封じ込めに成功したと言われる。

しかし、成功例はこの一ヵ国だけなのです。

つまり、感染が国全域に広まってしまった国は、ロックダウンして一時的には減少しても、また感染者数のリバウンドが起こり、再度ロックダウンしています。日本の現状も同じと言えるでしょう。

本当に効果があるのならば、何回も発令すると思いますか?しかも1年半という間に何回も。

ちなみに2020年の5月の記事ですが、外出禁止は感染抑制に顕著な効果が認められなかったとしています。
内容としては、30カ国を対象としてもので、外出禁止には抑制効果はなく、公共の場でのマスク着用の義務化にも効果は確認されていないとなっています。

つまり、ロックダウンの効果は証明されておらず、むしろマイナス面が大きい。
諸外国が試す中、成功例がほとんどないロックダウンを、貴方は是非しようと言えますか?

口にするのは簡単です。ですが、行うことのデメリット(影響)も考えるべきですし、それらを失ってまで行うほどの脅威的なウィルスではないのです。

 

4.まとめ

いかかがでしたでしょうか。ロックダウン。

日本の現状を見ると、緊急事態宣言の乱用、頻回に渡る自粛要請によって、緊張感は最初ほどありません。
しかし、これは決して「気の緩み」ではなく、元々この緊急事態宣言は、現状を打破するだけの効果がなかっただけだと思います。

政府も正直こう考えているのではないでしょうか。

「何をしていいのか、わからん」

私は、今回のロックダウンの議論についてこう考えてます。
お手上げ状態で縋るものがない。ロックダウンという禁断の果実に手を伸ばし、とりあえず何かしないと示しがつかないという保身だけの政策だと。

でもロックダウンをした所で、ウィルスは無くなりません。一時的に抑制できても、根本的な解決策ではないのです。

そして、経済を止めるということが、どれほど人々の生活に影響するかを考えるべきです。ウィルスに感染しようがしまいが、人は生きていかなければなりません。

生きていくためにはお金は必須です。経済と感染対策のバランスというものは、もっと慎重に考えなければならないのです。

政府や分科会、医師会は今窮地に立たされてます。思いつきや経験で物事を進めるのではなく、根拠に基づいた対策を考えてもらいたい。

そして、大前提として共存できないウィルスではないのだから、ロックダウンという人の在り方を捨てるのではなく、今まで通り自然界と共存して生きる道を忘れないで欲しいと思う。

 

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